ピックルボールの基本中の基本「ドロップショット」をマスターしよう!

ピックルボールの基本

ドロップショットとは?

ピックルボールのドロップショットは、ボールをベースライン付近からノンボレーゾーン(キッチン)の中にやわらかく落とすショットです。基本的には1打目のサーブ、2打目のリターン、そしてその次の3打目の際に、このショットを打ちます。3打目に打つため、サードショットドロップとも呼ばれています。

ピックルボーラーの間では最も難しく、最も大切なショットだと言われています。

どうしてドロップショットが大切なの?

ではどうしてこのドロップショットが巷では大切だと言われているのでしょうか。理由はカンタン!

「ピックルボールはサーバー側が圧倒的に不利だから」です。

サーバー側はセカンドバウンスルールにより、相手のリターンをワンバウンドさせなければならないため、3打目まで後ろにいる必要があります。一方、リターン側は打った後にキッチンラインギリギリまで前に詰めることができるのです。つまり、『サーバー側⇒後ろ、リターン側⇒前』の構図がいきなりできてしまいます。そのため、サーバー側がどれだけパワフルなサードショットを打っても、ボレーで返されると、どうしても厳しい展開に追いやられてしまうのです。

「そんなのむごい」「一生リターン側でいたい」「サーブをする前に帰りたい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。でもご安心ください。絶望している方のための希望の一打、それがドロップショットなのです。

このショットを打つことにより、相手が強い4打目を返すことができず、さらに時間を稼ぐことができます。そしてその間にサーバー側も前に詰め、『サーバー側⇒前、リターン側⇒前』の構図を作ることができ、対等なポジショニングでプレーすることができるのです。

良いドロップショットの条件

これでドロップショットの重要性はおわかりいただけたかと思います。次に良いドロップショットの条件を書いておきますので、イメージしてみてください。

①ボールがネットを越える前にその飛行軌道の頂点に達していること。
②ボールがネットを越えた後に下降していくこと。
③相手のノン・ボレー・ゾーン内でバウンドすること、もしくは相手がボールをすくい上げなければならない(攻撃できない)ところにボールが落下していくこと。

つまり、「相手がノーバウンドで打つことが難しく、自分とペアが前に詰めていくことができるボール」が打てればドロップショットは成功したと言えます。

ドロップショットの基本的な打ち方

それではいよいよ打ち方について説明していこうと思います。

※今回は右利きの人がコンチネンタルグリップ(包丁握り)でふんわりとしたドロップショットをフォアハンドで打つことを想定しています。

①リターンボールのバウンド後、頂点から再び落下してくる位置まで動く。

②左足を前に出し、膝を軽く曲げ、パドルを下から上にゆっくりスイングし、ボールをヒット。山を描くように打つ。

③フォロースルーはベースライン付近であれば少し大きめにとる。

NAO流ドロップショットのコツ

「上記のような基本的な打ち方はわかっていても実際はなかなか難しい…」そんな方が大半だと思います。そこで、ピックル歴6年目の僕がじっくりコトコト考えた以下の5つのコツをぜひ参考にしてみてください!

①サーブを打つ時のポジショニングに注意!

深いリターンが返ってきてもいいように、サーブを打った後に軽く後ろに下がる、もしくは打つ前に一歩後ろに下がったところからサーブを打ちましょう。何事も準備が大切だということですね!

②グリップはゆる~く!

20~40%ぐらいの力で握ってください。あまり強く握りすぎるとパドルの面の上でボールが乗らず、パン!と弾かれてポップアップしてしまいます。数度目のデートの際に「そろそろ手、握ってもいいんじゃないかな」って思ってそっと握った、あの日の握力を思い出してください。

余談ですが、「ゆるく握れない!」「リラックスできない!」という方はマイケルジョーダンが試合中にしていたように舌を出して動かすと力みがとれるそうなので相手に怒られない程度に試してみてください。将来、みんなが舌を出しながらドロップショットを打つ素敵な光景が見られるかもしれませんね。

③パッと動いて、ゆっくり振る!

ふつう、ラケットスポーツではボールのバウンドや落下点にタイミングを合わせて体を近づけていきますが、ドロップショットの場合は違います。

リターンが返ってきたらドロップショットの打点の位置を予想し、パッと動き、先周りをしておくことが大切です。こうすることによって、ゆっくりとスイングする時間を稼ぐことができるのです。

④一歩前へ!

スイングと連動して右半身がゆっくり前に出てくる感覚で打ちましょう。軽く歩く感じです。体重が乗ったスイングをすることによって、ボールに縦回転がかかり、きれいな弧を描いてくれます。

⑤ボールの頂点・Apex(エイペックス)を意識!

ドロップショットを成功させるために最も大切なのがイメージです。でも立体的にボールの軌道をイメージするのはなかなか至難の業。そこで、Apexを意識することでボールがどのように落ちていくかを頭の中に描きやすくなります。ぜひ練習の時から意識してみてください。

あとApexっていう音の響きがカッコいいので、練習でも積極的に使っていくと「あの人、あかぬけてるわ~」という評価になるかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。このドロップショットをマスターすると、戦術が広がり、試合展開をかなり有利に進めることができます。さらにはチームメイトから「今宵の月は三日月かと思ってたら、あなたの美しいドロップショットだったわ」なんて褒めちぎられること請け合いです。大会前には下駄箱にペア申込用紙がどっさり入っていることでしょう。

ただ、このショットを緊迫した場面で使うにはどれだけの数を練習したか、そしてそれに伴う自信が大切になってきます。ですので明日から、できれば今夜の夢から早速練習を始めていただけたらと思います。

それでは、ご拝読ありがとうございました。Pura vida!美しき人生を!

Nishimura Naoya

三重県伊勢市出身。日本語教師として、タイ、コスタリカで働く。2019年にコスタリカ大学勤務時にピックルボールに出会い、ボーダーレスで老若男女混合のコミュニティの中心となっているピックルに強く惹かれる。帰国前には現地の大会で2度優勝。帰国後も日本の主要大会で優勝を重ねる。現在はプレイヤー兼コーチとして活動する傍ら、普及活動にも従事する。ユーモアを混ぜながら、わかりやすく、相手の瞳の奥に立って説明することを心がけている。信条は「尊び、愛す」。挨拶時に「愛し合ってる?世界と」と聞いてくる。

Nishimura Naoyaをフォローする
タイトルとURLをコピーしました